むし歯治療

大切な歯をできる限り削らず、残していくために、当院では以下の治療方法と考え方を取り入れております。

1. むし歯検知液の使用

   むし歯組織に付着すると赤く着色する検知液を使うことで、健康な歯質とむし歯に感染した組織の境界が目で見てはっきりとわかるようになります。
   はっきりわからない場合は「むし歯が残らないよう多めに削る処置」が必要になるため、検知液を使用することで「歯の削りすぎ」を防ぐことができます。

2. 超極細のドリルバーの使用

   少しでも健康な歯を残すため、むし歯の範囲に合わせて、歯を削るドリルバーが適切なサイズになるよう、きめ細かく変更しています。
   小さなむし歯や仕上げの切削では、非常に細いドリルバーを使い、精密な処置ができるよう心がけております。

3. ダイレクトボンディングによる修復

   欠損部分の大きさにもよりますが、削った歯の修復において、当院では主に「ダイレクトボンディング」を使用しています。

4. 予防歯科を重視

   むし歯にかかることがなければ、歯を削る必要も抜くこともありません。
   予防歯科は当院が力を入れている診療の一つです。
   多くの患者さまに、定期検診や治療を終えた後のメインテナンスへお越しいただいています。

歯医者が苦手になってしまう大きな原因は「治療が痛い・怖い」というイメージがあるからではないでしょうか。

治療の痛みを完全に消失させることは困難ですが、当院では以下の4つの工夫を行うことで、可能な限り痛みを抑えた治療を心がけています。

1. 麻酔注射前の「表面麻酔」

   「麻酔注射が苦手」という患者さまは少なくありません。
   当院では、注射を行う前に塗るタイプの麻酔を使いますので、針を刺す痛みはほとんど感じなくなります。

2. 超極細注射針の使用

   当たり前ですが、注射針が太いほど痛みは強くなります。
   当院では、33Gという規格の大変細い注射針を使っております。

3. 電動麻酔器の使用

   麻酔液の注入速度が不安定な場合、痛みを感じやすくなります。
   当院では、注入速度や圧力を一定に保つことができる電動麻酔器を使用しています。

4. 注射方法のこだわり

   実は、注射針の刺し方にも痛みを感じにくくするコツがあります。
   「針を刺す」のではなく、皮膚や歯ぐきを「針にもってくるような感覚」で注射を行うことで、痛みを和らげることができるようです。

むし歯菌が歯の根まで達している重度のむし歯の場合は、以下の処置を行います。

1. 根管内を清掃し感染物質を除去

   非常に細く複雑な形状の根管内に通せる「リーマー」という専用の道具を使い、根管内のすみずみまで清掃します。

2. 根管内の洗浄と殺菌

   洗浄・清掃を終えたら、レーザー光で殺菌の上、洗浄液を流し込んでむし歯菌を死滅させ、歯科用セメントを充填することでむし歯菌の増殖を防ぎます。

3. 根管を封鎖

   歯科用セメントが硬化したら、根管に蓋をして封鎖し、外部からのむし歯菌の侵入をシャットアウトします。

4. 被せものを装着する

   歯の機能を回復させるために、銀歯やセラミックなどの被せものを装着し、修復を行います。

歯の根がある根管の内部はとても細く複雑であるため、その中に潜むむし歯菌を完全に取り除くことは大変困難です。
そのような理由から、根管治療を行った歯が再びむし歯になってしまう確率は50％を超えるとも言われています。

当院では、より精度の高い根管治療を行うため、殺菌液での洗浄のほかに高周波治療器（レーザー治療器）を使用して根管内の殺菌処理を入念に行い、再び感染が起こるリスクを低減できるよう努めています。