親知らずの抜歯

治療方針

親知らずは一番奥に最後に生え揃う歯のため、スペース不足やむし歯リスクの高さなど、トラブルが起こりやすい歯です。
かつては「親知らず＝不要の歯」という理由で、できるだけ早く抜いてしまった方が良いと言われることもありました。

しかし現在は、とくに悪さをしていない親知らずはできるだけ残しておくという方針が一般的になっています。
当院でも、親知らずの状態を見極めた上で適切な診断を心がけております。

将来的にトラブルを起こす可能性が高い親知らずについては、抜歯をおすすめしております。
抜歯の際は患者さまに安心して処置を受けていただけるよう、できるだけ痛みを抑えることを心がけています。

親知らずはお口の中で一番奥に生えているため歯みがきが難しく、むし歯や歯周病になりやすい歯です。
周囲の歯やお口の環境へ悪影響を与える前に、抜歯をおすすめします。

親知らずがまっすぐ生えずに横や斜め向きに生えている場合は、隣の歯を押してしまっている可能性があります。
継続的に押されることで隣の歯が少しずつ動き、歯並びや噛み合わせを悪化させる可能性があります。

レントゲン撮影で、親知らずの近くに黒い影が確認できることがあります。
この影は「嚢胞（のうほう）」と呼ばれ、膿が蓄積したものです。
放置すると痛みや腫れだけでなく顎の骨を溶かしてしまう可能性もあるため、嚢胞の摘出と親知らずの抜歯を検討します。

親知らずが生えきらず一部のみが露出している場合、その周辺に汚れが溜まり、炎症が起こりやすくなります。
この炎症は「智歯周囲炎」と呼ばれ、悪化すると発熱や頭痛、開口障害といったさまざまな症状を引き起こしてしまいます。

女性が妊娠し、ホルモンバランスが変化すると、それまで何も起こっていなかった親知らずが急に痛み出すことがあります。

妊娠中は胎児への影響を考慮する必要があるため、時期によっては麻酔の使用やお薬の服用を控える必要があります。

そのため、将来的に問題を起こしそうな親知らずがある場合は、できるだけ妊娠前の抜歯をおすすめいたします。
ご自分のお口の状態を把握しておくためにも、ぜひお気軽に定期検診へお越しください。

親知らずは大きな歯のため、抜くときの痛みを想像して不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
当院は「痛みを抑えた治療」に力を入れており、抜歯の際は丁寧に局所麻酔を行いますので、抜歯時に痛みを感じることはほとんどありません。

しかし、麻酔が切れた後は数日痛みが続くことがあるため、処置後の経過観察が大切です。
当院では、事前の検査・シミュレーションなどを行い、研鑽を積んだ歯科医師によるスムーズな抜歯を心がけております。

抜歯でできた穴には血餅（けっぺい）と呼ばれるふわふわとしたカサブタのようなものができ、傷が保護されます。

しかし、うまく血が固まらずに患部が露出したままになったり、うがいで血餅が取れてしまう場合があります。

その状態をドライソケットと呼び、治癒していない傷に食べかすや雑菌が入りやすくなるため、結果として激痛を引き起こします。このようなときは、早めに受診して処置を受けることをおすすめいたします。

親知らずを抜歯する際は、歯科医師が適切な診断を行い、安全な処置が行えるよう努めていますが、以下のようなリスクが伴います。